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人や組織はどう成長するのか?

hello, here tsujihara.

新年度が始まりましたね、2022年もあっという間に4月です。ILY,本社は5月末が決算なため、会社を作ってからというもの個人的マイルストーンは毎年5月6月なのですが、桜が咲くとワクワクしたり楽しい気持ちになるのはきっと日本人の性なのだと思います。なにか新しいことを始めてみたくなっているのですが、2022年のカレンダーもそろそろ埋まってきたので、今年は粛々と自分の役割をこなしていこうと考えています。


ここしばらく仕事での理論補強のため、組織デザインに関する本をいくつか読んでいます。課題の中心を何と捉えるかによって、解決手法や型はおおよそ下記3つのスタイルに分類できそうです。(少々分類は乱暴ですが)


1.個人を育成する 2.チームを育てる 3.組織の構造を変える

いろいろ読んだり調べたりした中で興味深いと感じたトピックをいくつか整理しておこうと思います。

個人を育てる:成人発達理論

主な書籍は「なぜ人と組織は変われないのか?」と「なぜ部下とうまくいかないのか?」になります。人材育成には「水平的成長」と「垂直的成長」を考慮する必要がある、という理論です。

水平的成長:知識やスキル、能力の成長 垂直的成長:意識の向上、人間性の成長


多くの組織では水平的成長(スキル)の方に比重をおいて人材育成をするケースが多いと思うのですが、垂直的成長(人間性)に議論や施策が及ばないのはこの成長の不確実性が高いためです。

個人を育てる:IQとEQ

数年前からIQとともにEQ(= Educational Quotient / 心の知能指数)の重要性が問われるようになりましたが上記成人発達理論と同様の議論であると考えることができます。


水平的成長:知識やスキル、能力の成長 =IQ 垂直的成長:意識の向上、人間性の成長=EQ


EQは理論的に育成や開発が可能であるので、個人の能力開発の際は考慮したほうがいいんだろうと思います。しかしながら成長の不確実性が高いのは変わらずと理解した方が良いかと考えています。


チームを育てる:リーダーを育てる

「チーム」と一口に言ってもいろんな機能や規模になるので一概には言えない部分もあるのですが、チームの育成≒リーダーの育成として語られるケースが多いかと思っています。リーダーの能力開発についても様々ありますが、個人的には下記が最も納得度が高いように感じています。この分類や構造はカッツモデルに準じたものです。

これによるとリーダーに求められる能力は主に3つ

1.テクニカルスキル(業務遂行能力) 2.ヒューマンスキル(人間関係構築能力) 3.コンセプチュアルスキル(概念化能力)


それぞれトップ、ミドル、ローワーと必要とされる能力が異なります。先に出た個人の能力開発と揃えると下記のようになると考えられます。


1.テクニカルスキル(業務遂行能力)= 水平的能力 = IQ 2.ヒューマンスキル(人間関係構築能力)= 垂直的能力 = IQ 3.コンセプチュアルスキル(概念化能力)= ?


ここで新たに出てきた能力トピックとして「コンセプチュアルスキル」に注目しましょう、この能力はどのようなもので・どのように育成可能なのでしょう?


チームを育てる:リーダーを育てる / カッツモデルと概念化能力

コンセプチュアルスキルとは「対象を抽象化することで本質を見極める」能力です。コンセプチュアスキルの具体的な能力は下記の10つにまとめられます。


1.ロジカルシンキング / 論理的思考

2.クリティカルシンキング / 批判的思考

3.ラテラルシンキング / 水平思考

4.多面的視野

5.俯瞰力

6.知的好奇心

7.探究心

8.受容性

9.柔軟性

10.チャレンジ精神


「コンセプチュアルスキル」というとその字義の通り抽象度が高いですが、上記10の要素で分類すると機会の提供は可能なように感じます。


組織の構造を変える:学習構造を変える

ここでは一旦、チームをリーダーを含め5〜10名の構成員であるとし、それ以上を組織であると定義してみます。組織の学習についてはU理論や循環式のアクティブラーニングの手法を取り入れるのが有効であると考えることができます。

先述したコンセプチュアルスキルの10の能力要素を獲得できる学習構造にすることで、個人の能力開発・リーダー育成および、組織の専門知識・実践力の定着を高めることができると考えられます。


組織の構造を変える:組織の仕組みを変える

個人やチームについては「育成」という方針が取れそうですが、組織は「育成」ではなく「改善」あるいは「変革」といった言葉を用いるのが適切であると個人的には考えています。なぜなら組織の生産性を左右するのは個人個人のパフォーマンスではなく、生産的な仕組みであるからです。


この点を詳説するのは「偉大な組織の最小抵抗航路」「学習する組織」「チームが機能するとはどういうことか」などの書籍です。これらの理論の礎はシステムシンキングであり、メドウズの名著「世界はシステムで動く」をコーポレートマネジメントへ転用した考え方であると言えますし、これら書籍をみるに欧米ではコーポレートシステムデザイン、という考え方が一般的であるように思います。


個人を育成しながら構造を変える

ここまで様々整理してきましたが、結果的に必要なのは多くのところで言われる通り「個人の育成」「組織構造の変革」の両輪を回すことであると考えられます。当然ながらここにショートカットはないですが、効率的なデザインというのは可能です。この点については実践を通じて模索しがいがありそうです。


個人的な学習メモになりましたが、以上です。


Thank you! I love you.


参考書籍

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